「ドロップゴール」を知れば、ラグビー通に一歩近づける。
「ラグビーのオモロイ観方」第6回
■縦の攻撃と横の攻撃を組み合わせて、相手のスペースを空けられるかが鍵
福田 得点方法は「トライ」か「ゴールキック」の2つしかないことはわかりました。それでは、次に今回の本題である、攻撃の基本戦術を教えてください!
大西 「トライをとる」という第一目標から逆算して考えてみましょう。トライをとるためには、ボールを持って相手陣に攻め込まないといけませんよね。じゃあ「ボールをキープしつつ前進する」ためには何が必要か?
福田 うーん…ふつうに攻撃しても跳ね返されそうだし。ラグビーってディフェンスがズラって揃ってるじゃないですか。
大西 そうです。相手のディフェンスが整備されている所に無策に攻撃すれば、たちまち行く手を阻まれボールを奪われてしまいます。
福田 なんとかしてディフェンスを乱せればいいよね…あっ穴を見つければいいのか!
大西 いいですね! そして穴は見つけるのではなく、つくりましょう。そのために必要なのは「ストレッチ」すること。ディフェンスラインを狭めたり、広げたりするのです。
福田 なるほど。縮めれば、外に穴があく。広げれば、内に穴があくということでしょうか。
大西 そういうことです。攻撃側はそのために「ラン」、「パス」、「キック」という3つのオプションを駆使します。たとえばまっすぐ強いランナーを当てて、ディフェンスを集めて縮める。次の攻撃でパスをつないで外に展開して広げる。またキックを相手ディフェンスの奥に蹴って、ディフェンスラインを“縦に”広げる…といった具合です。
福田 3つのオプション…じゃんけんの手のみたいだなあ。
大西 じゃんけんというのはいいたとえですね。相手の陣形を見ながら手を変えていき、ディフェンスをストレッチしていく。このような基本的な戦術をベースにした上で、各チームは自分たちの強みを活かした作戦を考えているのです。